ある専門病院を受診してみて
第1子の妊娠を契機にして、その後数年、頻発していた不整脈発作。
(最初の頃は上室性頻拍、出産後はほとんどが心房細動)
今回、多発性脳梗塞が見つかって、
子どもたちの主治医から、「今、死んでいられないでしょ」といわれ、
これまで行きたくても行けなかった循環器系の専門病院を受診してきました。
いろいろな病院を見てきたけれど、今のところの印象は、
これまでとは全く違う病院。
現在の大きめの病院は事務部門は外注のところがかなり多くなっていますが、
そこは病院職員のようでした。
普通は医事課窓口付近に置いてある「初診受付票」もありません。
圧迫感もなく、初診受付のプレートのあるところに進みました。
圧迫感がないのは、多分、多くの医事課が設置しているカウンターよりも
ずっと高さが低く、必要な仕切りができて、話すにもちょうどいい距離が
保たれるから。
受診理由を聞かれて、これまでの事情を話すと
「心房細動ですと、そうした梗塞もできることがありますので・・・。」
と即座に返答して、初診用の問診票を出してきてくれました。
医事担当の職員が、若干の症状を聞いただけで、
梗塞が最もできやすいタイプの疾患名を言ってきたことに少し驚きました。
そして、驚いたことは他にも・・・
ここは循環器内科、循環器外科、消化器内科、呼吸器内科が併設されています。
ですから、すべての患者さんが心臓、呼吸が苦しいわけではありません。
でも、少なくとも外来のナース、検査室受付の職員はなるべく患者に
多くの動きをさせないように配慮していました。
初診票を書き込んで、しばらくすると
外来ナースに名前を呼ばれました。
返事をして、そちらに向かおうとすると、
「こちらから行きますので、そこにいてください。」と
ナースが私が座ってたいるところまできて、
カルテに記載された名前を見せて確認してから、
受診の理由と症状のプロセスを聞いていきました。
検査のオーダーが出て、渡されたファイルを持って検査受付に行くと、
私を見た受付の職員がカウンターから出て走り寄ってきて、
私が行くべき検査室の番号と案内をしてくれました。
他の患者にも同様にしていました。
ファイルの裏には検査室と医事課やファイルの回収トレイの案内図が書かれてあり、
検査を終えたら、ファイル回収トレイにファイルを入れることが
一目でわかるようになっていましたし、
検査終了後に担当の職員からも説明がありました。
私自身が大学病院の職員でしたから、
限られた時間の中で何をどう説明すれば、患者さんが迷ったり、不安にならずに
受診を終えて帰宅してもらえるかということは
常々、考えたり、気を配ってきたつもりでした。
大きな病院のシステムは、だいたいどこも同じようなものですから、
これまでどこの病院にかかってもそれほど困ることもありませんでした。
ただ、中には、どの職員も伝えてくるのは
検査室の番号、受診課の記号だけで、案内図や口頭での説明なしなので、
暇そうな部門に立ち寄ったり、
医事課受付に戻って、検査室や受診課の場所を尋ねながら
目的のところにたどり着く・・・なんて独立行政法人系の某病院もありました。
本当に具合が悪くて、足下もふらついていたので、
余計なところに寄る体力も気力もないのに、
そこの病院は手すりはついているものの、患者さんが座るための椅子が
びっしりと並べられていて、手すりに触ることもできません。
どの部署もあまりにお役所仕事の感じが強くて、
そこの病院には閉口しました。
その病院と比べると、規模が圧倒的に違うこともあって、
患者の移動距離はかなり少ないのですが、
患者に最低限必要な医事課、外来診察室、検査室、トイレが
それぞれ非常に近くに設置されていてとても便利ですし、
職員も非常に狭いエリアを移動するだけで、
ほぼすべての外来業務がこなせる作りになっていました。
そして、外来患者がそのエリアを歩いている限りは
必ず病院職員の目に、ほぼ止まるような構造になっていました。
ナイチンゲールが考えたとされる理想のナース・ステーションも
構造こそ違っていますが、
そうしたことを基本に置いたものでした。
こんな病院で働いてみたかったな・・・と初めて思いました。
できれば、このイメージ、変わらないでほしいなと思います。
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