セカンドオピニオンを求めるのは悪いことじゃない

結局、私は先月、今月と、セカンドオピニオンを求めに行きました。

「湿疹」→「慢性色素性紫斑」
「肩こりによる頭痛」→「後頭神経痛」

診断名はそれぞれ、そんなふうに変わりました。

痛みが強いせいか、いつもは120台/70台の血圧が
140台/90台となっていて、循環器のドクターに注意されましたが、
痛みもずいぶん楽になっているので、血圧も少しはマシになるかと思います。

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それは私が看護学生二年の頃。ちょうど、年度末の試験の時でした。
お腹が痛くて、気分も悪い。

実習中に患者さんを脳死で亡くして、
そのプロセスもおおっぴらには話せないことがいろいろあって、
伝えてきたご家族の気持ちが病棟の方針と合わず、
病棟医長とけんかをした格好になってしまったこともあったので、
ストレス性のものかと思っていました。

そのうちに40度近い熱が出始めて、
母親が通っている胃腸専門を標榜する内科を受診しました。

触診と血液を取って、腸炎じゃぁないかと言う話になりました。
後日、上がってきた血液データでは白血球は3万近く、
ドクターは「おかしいなぁ」というので、
おそるおそる、でも、思い切って言ってみました。

「あの・・・ここを押すと痛いんです。」

マックバーネの圧痛点というところで、
虫垂炎の診断の決め手になる箇所でした。

「そんなことを言うと医者に嫌われるよ。」

親が通っている医者と不仲になるのはまずいと思って、
しばらくは我慢してそこに通いました。

でも、熱も痛みも治まりませんでした。

仕方なく、甲状腺機能亢進症で通っている内科に行くと
ここでも「腸炎」の診断。
腸炎ではあるのですが・・・。
その頃にはお腹中が痛いし、水ものを飲むのもつらいし、
闘病中の両親にとっては私の状態は厄介なもののようでした。

そこでも不仲になるのが嫌でしばらく通っていましたが、
親の我慢も切れたようで、ちゃんとしなさいと注意されたことをきっかけに
小学生だった頃、原因不明で熱を出して入院した外科を思い出して、
そこに向かいました。

腹部のレントゲンと触診で、
「虫垂炎です。30分後に手術します。
ほら、細長いはずの盲腸が丸くなっているでしょ。すぐに切らないと。」

とドクターに言われ、帰宅して入院の準備をすることもできずに
手術台に上がったのでした。

発症してからひと月あまりが経っていました。

その間、ほぼ飲まず食わずの状態ですから、
術後の状態もよろしくなく、3週間経っても退院許可が下りません。
傷も閉まらないし、発熱も続きました。

看護学校はほぼすべての科目が必修ですから、
あまり休むと留年するしかありません。
休学してしまうと、奨学金が一時止められますし、
それはなんとか避けたかった。

いろいろ手を尽くしてみたものの、
前期授業料を支払った後に、私の留年が決まりました。

授業料を出せるあてがなく、
恥を忍んで、クラスメートに借りて払った授業料でした。

人の運命はそれほど変わるとも思ってはいないのですが、
あのとき、留年しなかったら、主人とは会わなかっただろうし、
子どもたちは障害児ではなかったかもしれないと思います。
もちろん、これまでのいろいろなことと引き替えに
別の種類の苦しいこと、つらいこと、楽しいことがあったのだろうと思います。
(特に、今の暮らしに何の不満があるわけじゃありません)

あの経験があるからなのでしょうか。
真剣に身体の声を聞いてみて、どうしても納得できなかったら
セカンドオピニオンを受けるべきだと思うのです。

人は間違いを犯す生き物。
ドクターもまた、人間ですから。