無症候性脳梗塞・・・隠れ脳梗塞
3月下旬くらいからあった頭重感が、4月中旬には完全に頭痛になって、
5月には毎日の頭痛に悩まされていました。
やっと少し時間ができたので脳ドックを受けたいなと思っていたのですが、
5月5日に動くのが難しいくらいの頭痛とふらつきと吐き気がしたこともあり、
渡りに船♪のような気持ちで、先週、脳のMRIを取ってもらいました。
脳MRI
今も続く頭痛の原因は、MRIでは見つからなかったのですが、
<十分に問題です>と神経内科のドクターに言われてみせられたのが
脳のなかの白い点々。
あっちにもこっちにも、あそこにも・・・
年齢を考えると、ひとつふたつ、見つかっても全くおかしくないですが
私のは小さい脳梗塞が多発していました。
特別これまで症状がなかったので、診断名は「無症候性多発性脳梗塞」 でした。
「脳梗塞」の種類 その1 脳血栓
多くの人は「脳梗塞」というと、
よろしくない生活習慣や加齢による動脈硬化の結果
脳の血管内壁が徐々に細くなって詰まると(脳血栓)
というのを思い浮かべると思います。
これは「脳梗塞」のうちのひとつの病型で、
この脳血栓(アテローム血栓性梗塞)と呼ばれます。
さて、ドクターがすぐにオーダーした、血液の一般生化学検査ですが、
(コレステロールとか中性脂肪とか、肝機能などなどがわかります)
私の検査値はほぼ問題ありませんでした。
「脳梗塞」の種類 その2 心原性脳塞栓
私はよく心房細動を起こします。
これまでの最も大きな発作の時には、
薬を飲んでも18時間近く、不整脈が続いたことがありました。
こうした不整脈では、心臓に血がたまりがちになり、
心臓内に血栓ができやすくなります。
作られた血栓は拍動とともに身体の各所を巡ることになります。
脳塞栓はこの血栓が脳血管で詰まったものです。
このパターンは比較的大きめの血栓ができるため、
やや太めの血管も詰まらせてしまいます。
当然、身体的なダメージは大きく、場合によっては致死的なものになりかねません。
こうした脳塞栓は「心原性脳塞栓」といわれ、
元巨人軍の長嶋監督が倒れられたのも、心原性脳梗塞と聞いています。
(心原性脳梗塞の原因には、
他にも心臓の弁や壁の異常や心内膜炎などがあります。)
ごく細い血管の閉塞であれば、脳の壊死も小さいために、
私のように明らかに異常に思われる症状が見られない場合もあります。
さて、どうするか
心原性の脳梗塞の場合は、
もともとの心臓の状態を何とかしなければなりません。
私の場合はそれが心房細動で、
経験上、大発作の前にはほとんど前駆症状があるので、
生活のペースを緩めたり、急な動作を避けるといった工夫はできますが、
目が覚めたと同時に不整脈が起きるなんていうこともありましたから、
確実にコントロールしきれるかというと難しい部分もあります。
適切な食事に、適度な運動、ストレスのコントロールと十分な休養は基本。
(これだけですでに十分難しすぎますが)
最近では抗凝固剤に関して得られている知見もずいぶん変わり、
血栓予防についての抗凝固剤投与の仕方が以前とは変わっていると聞きます。
早めに循環器内科を受診して、血栓予防をしたいと思っています。
************************************************
このページを目にされた方のなかには、
よく不整脈を起こされている方はいませんか?
頻度が高かったり、収まるのに時間がかかっているものなら、
循環器内科を受診された方がよいと思います。
また、熟年以降の方は脳ドックを受けてみることをお勧めします。
決して安くはない検査ですけれど、
身体の異変をキャッチして大きな病気を未然に防ぐのは
自分にも周囲の人にも本当に大事なことだと思いますので。