低音障害型突発性感音難聴
難聴はどんな症状だと思いますか。
有名なミュージシャンが難聴になって、
ネットでもそうした情報が行き渡るようになってきて、
単に<聞こえない・聞こえにくい>というものでもないと
理解している人もずいぶん増えたのではないかと思います。
発症初日の症状
難聴にもいろいろありますが、私がかかったのはこのタイトルの疾患でした。
7年ほど前のことです。
いろいろあって、毎日の睡眠時間が積算で4時間前後というのが
2年ほど続いていました。
くたくたの身体をようやく起こして何とか動いていた毎日。
そんなある朝のことでした。
ものすごく強い耳閉感と音の違和感。
湯気いっぱいの巨大な銭湯の中にいるような、
トンネルの中にずっと閉じ込められているような
風船を左耳に無理矢理押し込んだような
へんな耳のつまり感と圧迫感。
音は聞こえました。
ちゃんと聞き取れるくらいに。
だから、受け答えはできました。
でも、聞こえる音のほとんどは厚い屏風の向こう側から聞こえるような感じで
孤独を感じるほどの隔絶感がありました。
おまけに音が痛いのです。
音に<圧>を感じるというのか、
<音波>というか<衝撃波>というのか、
音はそのままエネルギーでした。
耳抜きをしても、唾液を飲んでも、なしのつぶて。
さすがにおかしいと思いながら、ふと気がついたのが
いつも正時に鳴る、かけ時計のメロディーがほとんど聞こえない!
立ち上がるとめまいというほどでないけれど、ふらつく。
これは内耳のトラブルかと思って、焦りながら耳鼻科に向かいました。
受診結果は
検査の結果は左耳だけ、低音域の周波数のところが下がっていました。
一部の音だけが聞こえなくなることが耳閉感を生み出すことや
私の場合は軽症で、しかも発症直後の受診なので投薬治療に非常に期待できる。
聴力も戻るだろうし、耳閉感なども数日で消えるだろう。
ただ、繰り返されるケースもあって、
その回数が多くなると設備の整った他院での治療が必要になる
ということをドクターが事細かに説明してくれました。
そして、ついた診断名は、この時点では
突発性低音性感音性難聴
でした。
(突発性低音性感音性難聴は
急性低音障害型感音難聴や低音難聴など様々な呼ばれ方をしているようです。)
その後
私の場合は最も早い段階での治療ができたので、
ドクターの見立て通り、数日で主な症状が消失しました。
ただ、茶碗のぶつかる音が刺さるような感じがしてつらいとか、
電話で聞こえてくる音がつらいとか、(つい左で聞いてしまう)
耳の中の違和感があって、
完全に元には戻らないのかなと思うこともありました。
(一昨年の追突事故で左側を強打したこともあってか)
今もたまに耳の違和感がありますが
あの頃に比べればずいぶんと気にならなくなりました。
今朝、久しぶりの違和感があってこの記事を書いています。
この病気はまずどれだけ早期に治療を始められたかが決め手です。
また、似た症状の病気に<突発性難聴>があります。
こちらは聴力の回復が難しく、早急な治療が求められます。
ですから、耳の異変を感じたら、
できるだけ早くに耳鼻科を受診することが必要です。
低音障害型感音難聴は強いストレスとの
関係が指摘されています。
20代~40代の女性に多く見られ、再発するケースも見られるようですが、
私もこの翌年、もう片方の耳が低音障害型感音難聴になりました。
いろいろな事情でストレスフルな状況から抜け出せない場合はありえますが、
自分の身体をいたわる最低ラインを確保することにも
知恵やお金をさくことも大切なのですよね。
時になかなか難しいことではあるけれど・・・。
さもなければ結局、医療費や通院時間、
場合によっては自分の聴力を犠牲にしないとならなくなります。